10月31日(火)雨 午前6時起床 フランス・カンヌ市

 朝、強い雨で目が覚めた。どうなることやら心配されたが出発の9時頃には小雨となり、ソフィアアンティポリスへ向かった。カンヌ市の郊外に、このIT(情報技術)施設は広がっている。創始者の一人ラフィット上院議員(ソフィアアンティポリス財団会長)に、プレゼンテーションをしていただいた。
 ソフィアとはギリシャ語で「知」、アンティポリスは「既成の都市をこわす(アンティ)新しい街づくりをすすめる」というもの。1969年にテクノポリスづくりがこの地で始まった。非営利目的で出発し、頭脳を働かせ、文化的科学的活動を行うことを目的とした。
 1980年、世界テクノポリス協会を設立。国際的ネットワークを作りあげた。会費として、日本からも大分・熊本のテクノポリスが参加している。さて、ご当地ソフィアアンティポリスには現在1,000企業が進出。公共・民間研究機関が中心となり、エンジニアの養成・ニース大学の一部が開校している。働いている人口34,000人、カンヌ市の人口7万人の半分を占めている。殆どエンジニアと科学者、色々な国籍が集まっている。日本の企業もトヨタのデザイン研究所がブリュッセルから移転し、流線形の研究を進めている。成功した理由としては、アイルランドのように税制に特典があること、人材を集めやすいことがあげられる。
 次にソフィアアンティポリス協会は、特定非営利法人として、朝食会から出発した。そして文化活動、コンサート、美術展、講演会を毎年行っている。これは文化が交流・交配するという理念に支えられている。
 協会の活動として、もう一つ重要なのは、スタートアップクラブ提携としてベルリン・ミュンヘン・トリノ・バルセロナ・テュニス・イスタンブールをつなぐ役割を果たしている。日本にもぜひ神奈川と提携したいとの提案があった。
 ラフィット会長は我々の質問に答えて、まず成功率については50%、売り上げは多国籍企業の場合、本社がアンティポリス以外にあると把握できないが、概算で1,000億ユーロ(日本円9兆円)となっている。
 どのように、セールスしてきたのかという質問に答えて、地中海沿岸では空港も近く、パリから次のカルチエラタンを田舎に作りたい、ということをセールスポイントにした。アメリカではPFI(私的資本が先導)であることを強調し、大変驚かれたという。初期の活動については、アニールグープがクロワゼットホテルをカンヌ・コートダジュールに建ててくれ、このホテルで毎週協会主催の会議をひらかせていただいた。テーマは、リサイクル・新素材・インターネットについて論議を深めてきた。協会としては、テクノロジーによる革新的な企業の手伝いをしてきたと総括している。
 次にプレゼンテーションをしてくれたのが、特定非営利法人(NPO)「テレコムバレーアソシエーション」のコミュニケーションマネージャー、ステファン女史。彼女はIBMの社員だそうだ。
 1990年 テレコムネットワーク8社が集まり始まった。IBM・アルカテル・ATIT・コンバック・ヨーロッパテレコム企画・フランステレコムなどである。現在は、60社の企業が年会費1万フラン(15万円)を拠出し、会員相互の親睦を深めている。全くの非営利法人であるので、この法人が事業をやる訳ではないので、会員相互の交流を深め、これからのテレコミュニケーションの予測と開発をどう進めるかというのが目標だそうだ。この後、ソフィアアンティポリス内の進出企業を見学した。アメリカ合衆国、ヨーロッパ全域の地図をモバイル操作で画面に映し出すカーナビゲーションのソフト開発企業であり、おそらくこれからのヨーロッパ全域を対象とした成長企業となろう。
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