11月1日(水)晴れ 5時起床 ドイツ・フランクフルト市

フーフェランド・ハウス、ドランスキー総務部長と共に

 昨日の雨とはうってかわって晴天となる。コートダジュールが美しく、一昨日の晩に走ったニース空港からカンヌ市までの高速道路沿いの風景がこんなに美しかったのかと改めて感激した。
 9時55分発のルフトハンザ航空LH4153でフランクフルト空港へ出発した。フランクフルト市内のレストランで早速フランクフルトソーセージの料理をいただく。午後より「Hufenland Haus(フーフェランドハウス)老人福祉施設」を見学させていただいた。2時ちょっと前に到着すると、ハロルドドランスキーコーディネーター(総務部長)が、迎えに出られていた。会議室に案内していただいた後、プレゼンテーションが始まった。
@ドイツの介護保険制度の概要
 介護保険は、高齢化社会が進むにつれてこれに対応すべく、これらの従来からの健康保険、労災保険、年金保険、失業保険につづく社会保険の5本目の柱として、20年以上にわたる準備期間の後、1994年5月に介護保険に関する法律が発効し、1995年より実施されることになった。 
 まず、1995年1月1日から保険料の徴収を開始し、3ヶ月後の4月1日から、在宅介護にたいする保険金の給付が始められた。さらに1996年7月1日をもって、老人ホームなど入院介護に対する保険金の給付も開始された。
 日本とドイツのこの介護保険の大きな相違は、日本では、純粋の老人のための介護保険で、保険の給付を受ける資格があるのは、65才以上の介護を必要とする人であるのに対し、ドイツの場合は、年齢に制限無く、高齢者はもとより、例え赤ん坊でも、子供でも日常生活に介護を必要とする者が、給付の対象となる点である。
1990年東西ドイツが統一され、総人口が約8000万人(旧西ドイツが6300万人、旧東ドイツが1700万人)であるが、そのうち60歳以上の人口は約1600万人、60歳以下は6400万人である。
介護を必要とする人を年齢層別に見ると:
 60歳以下ではその0.5−0.7%の約40万人
 60歳から80歳までの人の5%で約66万人
 80歳以上では20%で58万人である。
 最近の調査によると80歳から84歳までの女性の11.5%、男性の8.7%が介護を必要とし、85歳以上では28.2%の女性、21.1%の男性が介護を必要としている。現在60歳のドイツ人男性の平均余命は17.3年(77.3歳)、女性の場合は、21.7年(81.7歳)であり、新世紀に向かって高齢者は増え続け、したがって介護を要する人々も増大してゆくわけである。
A介護保険の被保険者
 介護保険は健康保険と直結しており、健康保険機関が介護保険の取り扱いを行う。ドイツでは、住民の約90%が法定義務保険機関である、AOK,DAK,Barmer Ersatzkasse、企業健康保険などに属しており、10%がプライベートの保険会社の健康保険と契約している。原則として加入している健康保険機関の介護保険に加入することになる。被保険者の扶養家族は、健康保険、介護保険ともに被保険者に帰属し、その保険でカバーされる。
B介護保険料
 法定義務保険機関の場合、1995年1月1日から、税込み給与の1%で保険料の徴収が開始され、1996年7月1日以降は1.7%になった。ただし月額給与の上限は、旧西ドイツでは6150マルク(保険料/104.55マルク/月)、旧東ドイツでは5325マルク(90.52マルク)とされている。※1マルク=45円
 この保険料を被雇用者と雇用者が半分ずつ負担し、年金生活者は本人と年金保険機関が半分ずつ支払う。失業者の保険料は労働省が、社会福祉金受給者の保険料は福祉局が支払う。このようにして、一応全国民が健康保険及び介護保険の対象となっているわけである。
C介護保険の給付
 介護保険を受給するには、被保険者が保険機関にその申請を行い、保険機関はこれをうけて、所属の医療サービスの医師に委託して、介護度の認定を行う。
 医師は在宅家庭又はホームなどの施設を訪れ、当人とその家族又は介護者と面接し、6頁からなる鑑定書に記入し、介護度T−Vのどれにあたるかを、保険機関に勧告し、保険機関が最終決定を行い、申請者に通知する。
 介護度は次の基準によって三段階に認定され、その介護度に従って、保険金の給付が行われることになる。

介護度T:
かなりの介護を必要とする。
 身の回りの世話、食事、身体の移動に関し、その一つの分野又は複数の分野において最低二つのことを行うのに、少なくとも一日に一回は助けを必要とし、さらに家事の運営に一週に何度も助けを必要とする人。その助けに要する時間は1日最低1.5時間以上かかり、その内家事以外の基本介護にかかる時間が45分以上でなければならない。
介護度U:
重度の介護を必要とする。
 身の回りの世話、食事、身体の移動に最低3回、それも1日の異なる時間帯に助けを必要とし、さらに家事の運営に1週に何度も助けを必要とする人。その助けに要する時間は1日最低3時間以上係、その内、家事以外の基本介護にかかる時間が2時間以上でなければならない。
介護度V:
最重度の介護を必要とする。
 身の回りの世話、食事、身体の移動に1日中昼夜共に助けを必要とし、さらに家事の運営に1週に何度も助けを必要とする人。その助けに要する時間は1日最低5時間以上かかり、その内、家事以外の基本介護にかかる時間が4時間以上でなければならない。

 1997年1月現在で160万人が介護保険金の支給を受けている。その内、110万人が在宅介護である。在宅介護の内、380,000人が介護度Tで月当たり400マルク又は750マルク迄の専門サービス、581,000人が介護度Uで800マルク又は1800マルク迄の専門サービス、139,000人が介護度Vで1300マルク又は2800マルク迄の専門サービス。

フーフェランド氏像

 極めて困難な場合は3750マルク迄の給付を受けている。100,000人はプライベート介護保険の支払いを受給している。1996年7月1日からは、約40万人が施設やホームなどで3段階の介護度によって、保険金の支給を受けられるようになった。
Dフーフェランドハウスの取り組み
 フーフェランドという宗教者がこの総合的ケアセンターを発想した。この理念は「Together!We are Strong」つまり「協同によって我々は強くなる」という協同を基本とする。(フーフェランド氏は詩人ゲーテの先生、宗教者)
 私たちを案内してくれたコーディネーターのドランスキー氏の説明によれば1年前より財務管理が導入され、経営的視点が比重を占め、食堂、500食の食事、建物清掃、リネン(シーツ、タオル)サービスはすべて外注された。

《フーフェランドハウス事業全体図》
《入所者と年齢構成》
100歳以上    1人
95歳〜99歳  11人
90歳〜94歳  55人
85歳〜89歳  57人
80歳〜84歳  35人
75歳〜79歳  17人
70歳〜74歳  18人
65歳〜69歳   4人
入所者合計  198人
《従業員と年齢平均》 
330人(うち130人が介護士) 平均41.69歳
《新たな事業としての介護士養成学校》
・ 毎日教育を受ける。
・ 資格のない人を昼間実践を積んで、夜勉学する。
・ 資格をとって、ハイサラリーの職に移動する。
《要介護度と割合》
要介護度T    31%
要介護度U    25%
要介護度V    44%
(介護認定のない人)
《従業員と年齢平均》 
330人(うち130人が介護士) 平均41.69歳
《介護化率 被介護者/入所者》
車椅子利用・・・40%
経管栄養・・・5%
失禁・・・65%
寝たきり・・・20%
痴呆・アルツハイマー・・・70%
《新たな事業としての保育所経営》
18月〜3歳    年少クラス
 3歳〜6歳    年長クラス
外部の子供を   午前6時〜午後6時
《事業対象としての客》

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