第517号 2018年3月22日 (発行)民主・市民連合 TEL200-3358
医療的ケアの必要な子どもに
校内看護体制拡充実現へ
 市議会は3月16日閉会し、市長から提案された平成30年度予算案は可決成立しました。
 特に昨年6月市議会に提出されていた医療的ケアの必要な子どもが親の付き添いなく、地域の学校へ通えるように常勤看護師の配置を求める請願は9月定例議会で全会一致で採択され、このことを踏まえて今回の予算案の中で、約2500万円増の4180万円を計上することになりました。
 今日の甦えれ川崎は校内看護体制の拡充について特集しました。
<はじめに>
 市立小中学校と看護師が常駐しない特別支援学校に通う医療的ケア児は、2017年度現在で14人。訪問看護ステーションの看護師が巡回して対応しています。
「一人あたり週3時間以内」。ケアにかける時間に上限が設けられているため、保護者が学校で付き添う必要がありまし た。日常的に医療的なケアが必要な子供は年々増加傾向にあり、保護者からは看護師の常勤を求める声があがっていました。
 16年度に法改正され、厚労省や内閣府、文科省は医療的ケア児への支援強化を打ち出しています。国は17年度から小中学校看護師配置費用の3分の1の補助を開始。県内の川崎市以外の政令市は、17年祖までに時間の上限を撤廃しており、川崎市の対応は遅れていました。

<看護師を増員>
 市は18年度から看護師を週最大5日、1回30分で何回でも巡回可能とします。市は当初予算案に医療的ケア児の対応として昨年比およそ2500万円増の4180万円を計上。市教育委員会は新年度の医療的ケア児を14~15人と見込み、各人の巡回の時間や回数を聞き取り調査し、把握した上で看護師の態勢を整えたいとしています。また、従来の訪問看護ステーションのスタッフに加え、看護師の増員も図ります。市教委では「遅くとも6月までにはスタートさせたい」としています。
 宮前区在住の小関かおりさんは、小学校5年生の医療的ケアが必要なリナさんの母親です。子どもの付き添いでほぼ毎日。学校に一日中詰めています。
 小関さんは市議会に請願したほか、NHKの取材に応じて番組出演するなど、看護師の常駐の必要性を訴えてきました。今回の拡充について小関さんは、「嬉しいが、正直『やっとここまできた』という思いの方が強い。手が離れれば働きに行くこともできるのでありがたいが、まずは様子を見ていきたい」と思いを語りました。
平成29年 6月 7日
川崎市議会議長 松 原 成 文 様 
宮前区在住者
医療的ケアの必要な子どもが、親の付き添いなく、
地域の小・中学校へ通えるように、常勤看護師の配置を願う請願
請 願 の 要 旨 
 医療的ケアのある子どもが、親の付添いなく、地域の小・中学校へ通うことができるよう、常勤看護師の配置をお願いいたします。
 
請 願 の 理 由 (抜粋)
1 医療的ケアの必要な地域小・中学校へ通う子どもの現状 
  現在、市内の地域小・中学校へ通う医療的ケアの必要な児童は、親の付添いがなくては通えない状況です。一人一人の状態によりケアの分量が大きく異なり、日に一度だけ親が行けばよい場合もあれば、登校から下校まで常に付添いが必要な場合もあります。 
  本市の事業として、ケアの程度に関係なく、一律週3時間の看護師派遣をしていただけることになりました。事業が始まって6年目に入りましたが、過去に事故などの報告はないそうです。 
2 我が家の現状 
  娘は土橋小学校の5年生で、特別支援級に在籍させていただいております。娘は気管切開によるたんの吸引、えん下障害による胃ろうでの栄養注入が必要です。そのため母親である私が、一日待機部屋において適宜ケアを行っております。 
  我が家は6年前の事故により、夫が植物状態となり、現在も継続入院中です。したがって収入はなく、社会手当と預貯金を切り崩して生活をしております。現在はなんとか生活できていますが、他に中学2年生の娘がおり、大学に行きたいという夢をかなえてあげるためには、今のままではかなり厳しい状況になってくることが予想できます。医療的ケアが必要な次女が生まれた時から母親が付きっきりの生活が続いており、長女には多くの我慢、寂しい思いをさせています。 
3 子どもの自立のハードルになっている母親の付添い 
  母親の付添いの上で娘は学校生活を送っておりますが、母親が学校にいることは理解しており、友達との関係は大変良好ではありますが、母親の姿を見るとしがみついてきたり、周りをあまり見なくなってしまうという弊害も起こってきています。今後成長し、自立を目指す上で、このまま母親から離れられなくなってしまうのではないかと大変心配しております。
  ある日、交流級の児童に「お母さんがいつも学校にいるってあり得ないよね」と言われました。健常児からすると、母親が学校に常駐することを奇異に感じたようです。子どもたちに、医療的ケアのある児童は親が付き添うのが当たり前、という偏見を与えてしまうのではないかという心配もあります。 
4 他自治体における、常勤看護師配置の状況 
  今年度から、横浜市において地域校への常勤看護師配置が制度化されました。長年にわたり先進的に取り組んでいる大阪府はもちろんのこと、被災地である熊本市や北海道など、積極的に進めている自治体が増えており、法律の改正を受け、広がりを見せています。
  横浜市の配置により、神奈川県内の政令市において、時間限定の看護師派遣を行っているのは、本市のみとなりました。 
紹介議員    
吉 沢 章 子 
沼 沢 和 明 
市 古 映 美 
織 田 勝 久 
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