1月4日(月)<川崎市職員広岡真生さんの著書「誰だって誰かのヒーローになれる」を読んで>
暮れから新年三が日にかけて「STAY HOME」を強いられ、読書とテレビでの駅伝観戦に没頭した。その中で最も感動したのは広岡真生氏の「誰だって誰かのヒーローになれる」。これまで川崎市職員労働組合の機関紙で14年間にわたって連載された「あゆむ君とあゆむ」を読んでいたが、今回はとおしで読むことになり、改めて感動の想いがこみ上げてきた。
さらにこの本の主人公の歩睦(あゆむ)君とは5年前に、私とは古くから親交のあった横浜で障がい者支援に取り組んでいる李富鉄税理士のパーティーを通じて実際に知り合うことになり、一層本の内容にも興味を持つことになる。実は私が歩睦君の所属するグループを李税理士に紹介した。この日のパフォーマンスが神奈川テレビで放映され県内でも有名になる。このグループは高津を中心に、ダンスサークルを展開する「ダンスラボラトリー(愛称ダンスラボ)」。ダンスを通じて障がいをなくそう!というスローガンを掲げる団体。
この団体の主宰者が、かつて川崎市長選を共に担った方で、お嬢さんも歩睦君も同じくダウン症の障がいを持つ青年。この二人がステージのセンターを務める。迫力とノリは最高である。
さて、本題である「誰だって誰かのヒーローになれる」について一言でいえば、息子の一挙手一投足に対して包容力を持って見守る親の眼差しのあたたかさに尽きる。
息子の自立を信じ、時として制度としての「就学猶予」と抗がい、インクルーシブ(統合)教育を実現させるという頑固さを持つ。この稿はおそらく筆者はもっと展開したかったろう。
そしてこれからの親たちに進言する。新型出生前診断(NITP)で染色体異常がわかると中絶を選ぶ現実に対し「安心しろ!大丈夫!」という筆者のメッセージは説得力を持っている。
ますます歩睦君は、自立への階段を一歩一歩上り始めている。この著者の続編「その後の歩睦君-自立への道」を期待する。