532号 第39回9都県市合同訓練が東扇島で行われる

―9月1日、関東大震災から96年―
第39回9都県市合同訓練が9年ぶりに川崎市東扇島で行われました。自主防災組織3千500名(町内会)、小中高校生800名、その他協力機関など総勢8千人、さらに仮設スタンド建設および撤去費1億5000万円という大変立派な合同訓練となりました。演出もきめ細かく行きわたり、最後の一斉放水は、川崎消防団員と臨港消防団員の共同作業となりました。安倍晋三内閣総理大臣も参加し、各会場を視察しました。次の主催市となるのは、9年後です。
今日の「甦えれ川崎」は9月1日に行われた合同防災訓練を特集しました。
<直下地震の被害最小限に>
首都圏の9都県市による合同防災訓練は、国の基幹的広域防災拠点となっている川崎市川崎区の東扇島を中央会場に実施しました。消防や警察、自衛隊、、自主防災組織など約140機関から約8千人が参加し、切迫性が指摘される地下直下地震の被害を最小限に抑えようと連携を確かめました。
マグニチュード7.3の直下地震を想定し、臨海部のコンビナートでタンク火災が発生したとして、川崎市消防局などが大型化学高所放水車による消火に臨みました。海上では、流出した可燃性の液体の拡散をオイルフェンスで防ぎ、海上保安庁や東京消防庁などの船舶が放水を続けました。
ビルが倒壊し、がれきの中から被害者を救出する訓練には、警察・消防隊員に救助犬も加わりました。また、化学工場から塩素が漏れ出した想定で、消防や県警、陸上自衛隊が取り残された作業員を救出し、除染を行いました。
川崎DMAT(災害派遣医療チーム)や日赤県支部、海上自衛隊横須賀衛生隊が連携した応急医療訓練では、けがの程度に応じ治療の順位付けをするトリアージを実施しました。市民参加による救援物資の受け入れやボランティアセンターの開設訓練も行われました。

川崎消防団員と臨港消防団員の一斉放水

参加した140機関の代表

参加した140機関の代表

安倍首相も視察
<緊急通路確保へ>
大規模災害時に緊急交通路を確保するための合同訓練が1日、県内や都内で行われました。神奈川県警や警視庁、埼玉県警、国土交通省関東地方整備局、ライフライン事業者など関係機関が参加しました。首都直下地震を想定し、国道246号を一時通行止めにして被災したバスから乗客を救助した他、動けなくなった車両をレッカー移動するなどしました。
合同訓練は震度7を想定し、午前9時から1時間、災害対策基本法で緊急交通路に指定されている国道246号の「切通し交差点」(川崎市)―「瀬田交差点」(東京都世田谷区)-「上馬交差点」(同区)までの約5キロを順次交通止めにし、交通規制を行いました。
また多摩川にかかる新二子橋では、被災したバスの乗客を大型避難誘導し、けが人を救助しました。バスを大型レッカー車で移動させ、ライフライン事業者の車両を緊急走行させました。
神奈川県警交通規制課の藤田和久・都市交通対策室長は「非常時に緊急交通路が速やかに確保できるよう、引き続き関係機関との合同訓練を積み重ね、連携を深めていきたい」と話していました。