538号甦えれ川崎<市営霊園に合葬墓を整備、来年度より供用開始>

甦れ川崎

―平成42年度までに2万基―

少子化により墓所の無縁化の進行が懸念されており、承継の不安が大きくなっています。そこで川崎市は平成31年度より「有縁合葬墓」の供用を開始するにあたり、条例の改正など基本的整備を行うとした考え方を市議会まちづくり委員会に明らかにしました。
今日の「甦えれ川崎」は市営霊園の合葬墓整備について特集しました。

川崎市営霊園は早野聖地公園(麻生区1万3030基)と緑ヶ丘霊園(高津区2万5012基)があり、市内墓所数の約6割にあたる3万8042基が整備されています。
市営霊園の昨年の募集倍率は10.1倍。特に改装など返還された墓所のみの募集となる緑が丘霊園は53.6倍に上ります。
<霊園改装、促進へ>
一方、両霊園では墓所の無縁化が進みます。市はこれらの墓所の改装手続きに14年から着手。現在、無縁化の可能性がある墓所は約450基とされています。市が昨年実施した霊園利用者の意識調査では「今後30年ほどで無縁化する可能性がある」と回答した人は67%。緑が丘霊園利用者の47%が「合葬墓が整備されれば利用したい」と回答しています。
市は、墓所から合葬墓に改装すれば使用料を免除する計画。「無縁化する前の改装を促し、墓所の循環利用につなげたい」と期待を込めます。
合葬墓の導入に伴い、一部改正が進められる墓地条例には「生前取得」や「焼骨の不返還」などが組み込まれます。市は「遺骨は一定期間置かないため、埋葬後は返還ができないことの周知を徹底したいと」としています。
合葬墓の収容は約2万柱。緑が丘霊園に整備し、来年3月に完成する予定。来春、募集要項を発表し利用を開始します。
<需要の半数に対応>
市が11年に算出した墓所需要予測では、30年度までに必要な市営霊園の墓所は1万9000基。土地の有効活用と墓所形態の多様化を受け、15年に合葬墓の整備を盛り込む方針を策定した。1万9000基のうち、新規整備する1万7000基の半数にあたる8500基を有縁合葬墓で対応するとしています。


  来年3月に完成予定の合葬墓(イメージ)

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