甦えれ川崎545号 森林環境税導入 二重の課税は許さない!

甦れ川崎

前神奈川県議会議員 さかい学

国では「森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する」ため新たに森林環境税の導入を進めています。しかし私たち神奈川県民は既に水源地を整備するという名目で、県独自の課税である「水源環境保全税」を負担しています。
国と県から同様の税が課されるのであれば二重課税となるので調整すべきです。
今週の「甦えれ川崎」は私たちのまわりの森林整備について報告します。

【神奈川県の取り組み】
県では、平成38年度までの20年間について「良質な水の安定的確保」を目的として県独自の課税である水源環境保全税(納税義務者1人あたりの平均負担税額890円/年間)を徴収しています。

【国による新たな課税】
こういった状況の中、国では新たに森林整備等を目的とした森林環境税(仮称)を創設することとなりました。これが実現すると平成36年度から納税義務者に対して1人1000円を住民税と併せて支払う事となります。森林環境税は一旦市町村が集めた税金を国に集約して、日本全国の都道府県と市町村に私有林や人工林の面積などに応じて配分していく制度となります。

【二重課税にならないのか】
今回の新たな森林環境税の使い道については、主に市町村が人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発などを担い、都道府県はこういった森林整備を実施する市町村の支援をするという役割分担になります。そして県と市の税金の配分率は市町村9に対して都道府県1ですので、新たな森林環境税では市町村が具体の事業を担うこととなり、またその用途も多岐に渡ることになりそうです。
森林環境を守ることや水源地の環境保全は重要ですが、同様の目的で税金を徴収する二重課税は効率化して、県民の負担を軽くすべきです。
県は新たな課税を財源として「水源環境保全税では整備できない水源地以外の森林整備にも活用することができる」という立場をとっています。しかしこれまで神奈川県が担ってきた水源環境保全の事業を、この新たな税金でまかなえないのか、また実際に現在、県が維持管理している水源地へ使われることがないのかチェックする必要があります。私たちは県民が納得できる税制をつくるために二重課税をカットして税金のムダをなくすことを訴えていきます。

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