甦えれ川崎567号<ヘイトスピーチ条例を実効性ある条例に!-福田市長、6月議会に条例素案を示すことを表明―>

甦れ川崎

6月5日、「ヘイトスピーチを許さない川崎市民ネットワーク」(関田寛雄代表)は山崎直史市議会議長に、議会で審議が始まる「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」をより実効性のあるものにするよう申入れました。10日に始まった6月市議会冒頭福田市長は条例素案を示すことを明らかにしました。
今日の「甦えれ川崎」はヘイトスピーチ条例を特集しました。

<福田市長 市政方針>
6月10日、市長は6月定例会冒頭の提案説明の中で市政方針を示しました。
本市には、国内各地や海外から多くの人たちが移り住み、地域に根づいて多様な文化が交流する「多文化のまち」として発展してきた歴史があります。この歴史の中で、全国に先駆け、人権に関する様々な施策に取り組んでまいりました。
しかしながら、近年、本邦外出身者に対する差別的な言動やインターネット等を通じた人権侵害などの課題が顕在化しております。
本市におきましては、国によるいわゆる「差別解消三法」の制定や、川崎市人権施策推進協議会の提言を踏まえ、昨年『「公の施設」利用許可に関するガイドライン』を施行し、この3月には、「(仮称)川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」の骨子案をお示ししたところでございます。
全ての市民が不当な差別を受けることなく、個人として尊重され、生き生きと暮らすことができる人権尊重のまちづくりに向けて、「(仮称)川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」の素案を本議会におきまして、お示ししてまいります。
議会の皆様と丁寧に議論を深め、パブリックコメント手続きでいただき御意見等も踏まえながら、条例の制定に向けて取り組んでまいります。

<差別根絶が市民総意>
ヘイトスピーチ解消法の成立から3年が経過し、川崎市では公的施設でのヘイトスピ-チを事前規制するガイドラインが成立しました。一方で、学習会や政治活動に名を借りたヘイトスピーチは後を絶たないことが指摘されています。インターネット上での差別的言動も横行しています。「差別を根絶するにはもはや理念ではない、実効性のある条例が必要」と同ネットワークは強調します。同ネットワークが作成した意見書は
・差別に当たるのか、明確で具体的禁止条項を置く
・ヘイトスピーチを含む人種差別については、刑事罰を含めた制裁規定を置く
・インターネット上のヘイトスピーチ上のヘイトスピーチ対策の強化の明記
・現行のガイドラインの改正

など10項目を求めます。
山崎議長のもとを訪れた関田寛雄同ネットワーク代表は「東京オリンピックも見据え、具体的な効果のある条例を作っていただきたい」と要請。
これに対し、山崎議長は「気持ちは理解する」と応じました。
その後の記者会見で同ネットワークの崔江以子さんはヘイトスピーチ解消法成立に力を尽くした国会議員が先月31日に記者会見をした言葉を引き、「川崎でできる条例は全国の模範となり、灯台の役割を果たす」と意義を強調しました。その上で「私たちは16回にわたり学習会を開き、市民が求める条例を作った。福田市長は市民の総意で条例を制定したいという。市民が求めているのは差別の根絶」と述べ、議長のリーダシップの発揮に期待を寄せました。

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