甦えれ川崎573号<藤木幸夫氏講演 カジノではない観光振興を推進する!>

神奈川県会議員 さかい学
8月31日横浜情報文化センターにおいて港湾運送事業者の団体である横浜市港運協会会長の藤木幸夫氏の講演が行われました。横浜市では、市長がカジノを含む統合型リゾート(IR)の横浜港・山下ふ頭への誘致を表明し、これに対して地元の港湾事業団体が反対をしている状況が鮮明化しています。講演においても藤木会長が、港湾人の聖地である山下埠頭を「バクチ場」にしないために命がけで戦う決意を述べるとともに、改めてカジノに頼らないIRの推進を訴えました。
県民としても地元の港湾団体も反対をする中で、間接的であっても私たちの税金を投入してカジノを誘致することが妥当なのか、今後の横浜市の議論をしっかりと見極める必要があります。県としても誘致することになれば警察力の再編やインフラなどの整備の可能性もあります。今日の「甦えれ川崎」はカジノの誘致について特集します。
<課題が残るカジノ誘致>
日本ではこれまでカジノ(ルーレット・カード・スロットなど)は違法でしたが2018年の法改正により国内3か所に限り認められることとなりました。
そんな中、横浜市では先の市長選挙で実施については「白紙」としてきたカジノ誘致推進をこの度、林市長が突如記者会見で表明しました。この理由を「人口減少や高齢化により厳しい財政状況が見込まれる中、都市の活力をさらに伸ばすため」として、山下埠頭にカジノを含むIRの誘致を決断したと話しました。しかしながら市長は当初カジノ誘致に前向きであった姿勢が2017年の市長選挙においては「白紙」ということで説明をしてきた経緯があり、裏切られたと感じる市民も少なくないということです。事実住民投票を求める声が県内各地で上がっている現状です。
また、これまで課題と言われてきた「ギャンブル依存症対策」「反社会勢力の関与」「治安悪化と青少年への悪影響」などについて説明がないままに議会に予算が計上されることになります。併せて ギャンブルによって税収が確保されることに対する反対意見も出ています。9月からの横浜市議会では具体の中身が明らかになっていきますが注視が必要です。
<横浜のカジノ誘致をうけた県の対応>
こうした横浜市のカジノ誘致表明を受けて黒岩知事は定例記者会見で「IRは県全体の観光の活性化をはかる上で非常に有効な施策」とし、「市町村が判断したら後押ししていく」考えを明らかにしました。カジノ誘致や運営に県の税金が投入されるのであれば、より詳細な説明が必要です。9月の議会ではこうした初歩の考え方についてしっかりと質していきます。