甦えれ川崎581号<「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例案」の全会一致の可決を求める要請が市議会に

11月8日、ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワークの皆さんが川崎市議会議長・副議長そして会派代表を訪問し、「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例案」の全会一致の可決を求める要請書を手渡しました。
今日の甦えれ川崎は「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例案」を特集しました。
市民ネットワークの主張
<その1>川崎市の多文化共生政策の結晶
川崎市は1970年代から外国籍住民の要請に応え、全国に先駆けて、社会福祉など様々な分野における国籍条項を撤廃し、多文化共生再作を推進してきました。今回の条例案はその政策を維持発展させ、全国地方自治体のモデルとなるものです。全会一致での可決を期待しています。
<その2>ヘイト解消法を補強しマイノリティ市民を守る
国際人権規約(自由権規約)では「差別、敵意または暴力の船頭となる国民的、人種的または宗教的憎悪の唱道は、法律で禁止する」ことを求めています。2016年6月施行のヘイト解消法は、戦後初の反人種差別法ですが、差別禁止、制裁、被害者救済規定のない理念法であるため、川崎においても街頭宣伝や公的施設を利用したヘイト集会などが継続し、未然防止できていません。また、統一地方選挙においても選挙運動に名を借りたヘイトスピーチが各地で広げられました。自治体の条例でヘイトスピーチ規制を補強し、ほかの自治体にも条例制定が広がることで、ヘイト解消法の改正を推進していくことができます。
<その3>差別は犯罪、許されないことを市民の共通認識に
川崎市が刑事罰を導入した条例を制定することによって、“差別は犯罪”であるととらえ、許されない行為であることを川崎市民の共通認識とすることができます。それによりあらゆる差別を抑止し、市民の人権意識の向上に寄与することができます。
<その4>インターネットに関わる拡散防止を明確にする
インターネットによるヘイトスピーチは、その匿名性、拡散性において悪質で、被害者の受ける精神的、身体的打撃は極めて深刻です。被害を増大させないために、川崎市人権施策推進協議会答申にあるように、市民の通報権を認め、市が責任をもって削除要請するなど「拡散防止措置」の具体的な内容を条文に明記するよう審議してください。
<その5>公的施設利用に関するガイドラインの見直し
条例素案には「利用許可及びその取り消しの基準その他必要な事項を定める」とありますが、差別的言動の禁止を明記するなら迷惑条件は不要ですので削除を求めます。また、ヘイトスピーチの禁止について、公共の場所の例示に「公の施設」も加えるようにしてください。
<その6>条例案に見直し規定を
条例制定後、ヘイトスピーチ規制の対象や方法などが適切であるかどうか検討し、また、差別撤廃に向けて実効性を確保できるよう「見直し条項」を加え、検討することを求めます。