526号ふるさと納税による川崎市減収(2018年6月14日号)

平成30年見込み
ふるさと納税による平成29年度川崎市減収分は前年度の約12億円を大巾に上回り、30億7千万円に増加しました。平成30年度は更に増加し約39億円に増加すると見込まれています。
川崎市は寄付先の選択肢を29項目に拡大することを検討しており、市税減収対策は急務となっています。
今日の「甦えれ川崎」はふるさと納税による川崎市の減収について特集しました。
この制度は、故郷に貢献したいという納税者の思いを実現するため、応援する自治体に対して寄付金を納めると住民税と所得税の一定額を軽減するしくみです。
市には「川崎市ふるさと応援寄附金」がありますが、29年度は他自治体への寄付による住民税の流出額が約23億7千万円でした。また、税制変更により市に移管された県の交付金に、県のふるさと納税減収分が含まれており7億円が減収され、合計で約30憶7千万円の減収となりました。一方、29年度の寄付の受け入れは177件、約5千万円にとどまりました。公表されている事例で1円から1千万円まであり、市動物愛護センターへの支援が最も多かったです。
さらに、市は今年度の減収額が約39億円に膨らむと見込みます。これは、保育園の運営費(人件費や清掃代、光熱費)に換算すると園児2400人分にあたります。
寄付に対する理解を市民に求めようと、市は寄付金の使い道となる選択メニューに「日本民家園の古民家等の保存・整備の推進」など7項目を追加し、29項目に増やしました。返礼品に関しては、これまで寄付10万円以上に限り感謝状の贈呈、生田緑地関連グッズの記念品などでしたが、金額に応じた記念品を増やし日本民家園の招待券や年間パスポート等を盛り込みました。
項目の一つ、御幸公園(幸区)の梅林復活事業では、寄付5万円以上に対し、返礼として梅の植樹が行える。寄付をした市民の一人は「地元の公園に自分の手で木を植えることができて嬉しい」と思いを話しました。一方で「手続きなど手間がかかる割には、返礼品に魅力がない」という声もあります。
続く減収に対し、市は「ふるさと納税の制度が広く浸透しており、他自治体への寄付に歯止めをかけるのは難しい。川崎市に対する支援の気持ちを少しでも広く受け入れられれば」としています。